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 住宅コンセプト
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住宅コンセプト

何故、人は住宅を欲しがるんだろう。
何故、自分だけの住宅を作るんだろう。
この2つの事柄をよく考えて、
住宅のデザイン・設計を行うことが
家造りの第一歩で、とても大切なことです。


人が住まうところに執着する理由。


それは、原始的な欲求から発生しています。
人といえども、生まれた時は裸で何一つまとっていない
野生動物です。
とても弱い生き物です。
その性質を無意識的に学習している我々は、
本能的に身を守ろうとします。
雨・風・光。
風情を生み出し、生命を育んでくれるこれらのモノも
量を調節してくれる器がなければ、人にとっては凶器です。
餓死する前に、命を失います。

だから「生きるために」
身を守るための器、住宅を欲するのです。


でも、高度経済成長期から現在に至るまでの「住宅」。
劣悪な物ばかり生み出してきました。
そしてまた、生み出そうともしています。
アスベスト・防虫剤・ベタ基礎・空調機器・高気密・合板
オール電化等々。
施主のクレームを回避するために画一化された化学建材。
コストだけを追求した粗悪施工。
労働回避のために便利さだけを求めた設備機器。
業者を保護するためのガイドラインや法律。
知らず知らずのうちに「生きるため」から
「苦しみを生みだす」住宅になりつつあります。
やっとアスベストや合板の健康被害が伝えられるように
なりましたが、
まだまだ隠された事実や情報は、数多くあると思います。

私が生きてきた時間の中で、色々な事や人を見てきました。
あまりにも悲惨な事実が多い世の中で感覚が麻痺し、
メディアからの情報は実際の出来事としてとらえることが
できなくなりつつあります。

その中で、私の頭の中から消えない少年が一人います。

顔の皮膚が紫色にただれ、帽子を深くかぶり
顔を上げようとせず、
時折ズボンの裾をたくし上げ、
苦しそうな表情でボリボリとかいていた少年です。
脚もまた、紫色の皮膚でした。
年の頃は中学生位だと思いますが、
人生の中でこれからが一番輝く楽しい時です。
彼が何をしたのでしょうか。何もしていません。
ただこれから、明確な治療法もなく、
先が見えずに苦しい思いをしながら
ただただ祈ることしかできない
ということだけは事実です。
彼自身、また彼の家族のことを考えると、
胸が押し潰されそうになります。
突発的な病気でしょうか、遺伝的な疾患でしょうか、
伝染病でしょうか、どれも違います。
社会が「苦しみを生みだす空間」を作り上げた結果の
病気です。
アレルギー疾患です。

人を自然からとおざけ、
化学物質を大量に含んだ建材を堂々と使用した
高気密な住宅に押し込み、
空調の効きすぎた乾燥した空間で自律神経を弱らせ、
生産性ばかりを追求して精神的な欠落を招き、
有害な食品で体を形成させてきた結果です。
親の責任?先生の責任?国や行政の責任?
誰かの責任ではないのです。皆の責任です。
こんな構造的な恐怖が社会の中に蔓延しています。

「生きるため」の健康的な住宅。
当たり前のことでなくてはなりません。
住宅に対する過度な要求を今一度捨て、
この原点からプランニングをスタートさせて下さい。


住宅をつくることの意味。


モノのデザインには
必ず「生活の中においての意味付け」があり
私たちは、その意味を購入しているのです。
ただ単に、
三次元的な物体を購入しているわけではありません。

たとえば「器」。どんな意味を求めるのでしょうか。
感性に伝わってくる魅惑的なプロポーション。
手にしっとりと馴染む曲線。
そして、使っている時の癒し感や満足感。
また、その器でなければ目が向かなかった新食材・新レシピ。
料理から生まれる家族の会話。
器から料理への興味への移行。
趣味やイマジネーションの新たな展開。
私たちは、たった一つの器を購入する時でも、
新しい生活への道という「意味」を探し、
その可能性を確信してから行動をおこしています。

しかし、
「住宅」は人生の中で一番高い買い物であるにもかかわらず
器を購入するような思考パターンを描けないのが
現実のようです。
建築物は単純な物体ではなく、
専門知識を必要とするオーダーメイド商品ということで、
色や形、素材や平面構成、
はたまた見積金額という難問を突きつけられ、
箱という物体作りにエネルギーを吸収され、
購入目的である「生活の中においての意味付け」を
置き去りにしてしまう方程式が発生してしまいます。

「家は3回建てないと満足する物にならない」
という言葉を耳にしますが、
その要因はまさに「住宅デザインの個人的意味」の
現状分析と未来的考察を計画前に行なわず、
新しい家に住み始め、精神状態が落ち着いてから
「意味」をじっくりと考え始めるからです。

一般的には、何度も作ることの出来ない住宅。
30年・35年とローンを払い、
固定資産税や修繕費といった余分なお金がかかる住宅。
愛着が沸き、
精神的にも物理的にも住みやすい家を造りましょう。
新しい生活スタイルを創りましょう。

決して住宅の中に生活があるのではなく、
生活の中に住宅という物が必要という方向性をお忘れ無く。

花
ヘビイチゴ

雑草を放置して、その中に咲いたヘビイチゴの花。
名前に似合わず綺麗でしょ。